顧客データの分断を解消し、顧客インサイトをビジネスに活かすには?
顧客インサイトとは何でしょうか?顧客の「ニーズ」と混同されることがありますが、ニーズの背後にある顧客が知らない・気づいていない深層心理のことで、本質的な願望や欲求をさします。
顧客インサイトを理解することができれば、企業はより良い意思決定を行うことが可能です。まさに、売上向上や顧客サービス向上、マーケティング最適化の中心となるものです。消費者のデジタル化が益々加速化する時代において、ビジネスで顧客インサイトを理解するための手段として、独自の立ち位置にある製品がCDPです。
顧客インサイトを理解するために必要なこと
顧客インサイトに到達するには、統合されたデータに基づく顧客像(Who)と包括的なカスタマージャーニーマップ(What they do, Where / When / How they engage)が前提となります。これらの要素が顧客インサイトを構成し、はじめて企業は「顧客はなぜそのように行動するのか」を理解できます。
顧客インサイトは、顧客とその行動をより深いレベルで理解して初めて得られます。そのために、企業には以下が求められます。
- 顧客データを一元化する
- 一人ひとりのカスタマージャーニー全体を把握する
- 顧客データを十分な深度で分析する
それぞれの作業は決して簡単ではありません。しかし、この3つのアプローチにより、企業はビジネスに有用な顧客インサイトに到達し、単なる顧客データよりも強力な武器を獲得することができます。
顧客インサイトにおける戦略
顧客インサイトに到達した後、次のステップでは、企業が顧客インサイトを最大限に施策に落とし込む方法、すなわち「How」が焦点となります。課題をより掘り下げるためには以下の問いかけが役立ちます。
What: 顧客にコンバージョンへの導線を辿ってもらうための次のアクションは何か?
Where:顧客はカスタマージャーニーのどこにいて、どんなオファーに最も反応するか?
When: 顧客が企業にエンゲージメントを示すタイミングはいつか?
Who: マーケティング施策のターゲットは誰か?
How: どうすれば顧客、顧客セグメントのエンゲージメントを高め、最大の効果が得られるか?
上の問いに対する答えは、シナリオごとに異なりますが、収集、統合、分析されたデータから顧客インサイトに到達できれば、回答は簡単です。カスタマーインサイト戦略の実践に不可欠な製品がCDPです。CDPはデータ管理を一元化し、戦略を同期させながら、顧客に相対する組織全体に情報を展開します。以下に詳しく見ていきましょう。
営業・販売
CDPは、アカウント固有のインサイトを掴むことで、営業チーム・販売チームは適切なメッセージを適切なタイミングで顧客・見込み顧客に情報を伝えることができます。
買いたい気持ちが高まっている顧客・見込み顧客(ホットリード)へは即座にフォローアップし、購買に至るまでにもう少し時間がかかるであろう顧客・見込み顧客(コールドリード)には積極的なアプローチを控えます。Treasure Data CDPは、膨大なデータを取り込んで処理し、予測に基づく顧客インサイトを提供します。ファネル内の全リードに対して、ポジティブな顧客体験の提供を実現します。
膨大なデータから得られた顧客インサイトは、成約時間の短縮、成約率の向上、顧客獲得コストの削減といった具体的な結果につながります。Treasure Data CDPは、リードの見極め(リードクオリフィケーション)、アカウントジャーニーの把握、ポストセールス(販売後のフォロー営業)の最適化を行うための、ワンストップソリューションとして機能します。アカウント単位での行動を包括的かつ詳細に把握することで、販売戦略を洗練させ、より高い成功率を実現します。
さらに、CDPによる顧客インサイト把握により、営業・販売チームは予測スコアリングを通じて顧客・見込み顧客の優先順位付けを行い、人と時間を賢く活用することができるようになります。
マーケティング
Treasure Data CDPは、顧客一人ひとりにパーソナライズされた、一貫性のある体験を生み出し、チャネルやシステム、組織を横断して統合されたデータから有用な顧客インサイトへの到達を支援します。このとき、単一のカスタマービュー(シングルカスタマービュー)が重要な役割を担い、データのサイロ化を防ぎます。単一のカスタマービューは常に更新されるため、企業は統合された顧客インサイトをもとに、顧客一人ひとりに適したコミュニケーションを行うことができます。
マーケターは、Treasure Data CDPを利用して、あらかじめ利用に関して同意が取得されたデータを収集し、分析することでカスタマーインサイトを獲得します。顧客インサイトは、解約を減らすためのフォローアップや、購入を促すためのタイムリーなレコメンドなど、次の最適なアクションの決定に役立ちます。Treasure Data CDPの機械学習機能を用いることで、膨大な顧客とのやりとりを分析し、すべての顧客に最適化された、最良のコミュニケーションを提供することができます。
Treasure Data CDPは、企業のビジネスニーズに合わせて柔軟に拡張することができるため、継続性かつ一貫性のあるマーケティング活動を行うことができるソリューションです。Treasure Data CDPで何ができるかをみてみましょう。
- オーディエンスを正確にセグメント化
- セグメントをワンクリックで他のマーケティングツールに連携
- カスタマージャーニーオーケストレーションの実施
- カスタマージャーニーの進捗の可視化ならびに分析
- A/Bテストによるキャンペーンの最適化
- アクションを起こす可能性が最も高いオーディエンスを予測
サービス
Treasure Data CDPは、コンタクトセンターやカスタマーサポート部門にリアルタイムの顧客情報とレコメンデーションを提供し、顧客インサイト活用を支援します。オペレータやサポート担当者は一元化された顧客データ基盤により、顧客が今何を必要としているのかを正確に把握できます。さらにTreasure Data CDPは、AIを用いてオペレータやサポート担当者に実用的なインサイトをもたらします。カスタマーインサイトに基づいて顧客一人ひとりとのやりとりをパーソナライズすることで、スムーズにコンバージョンを促す優れた体験と対話を実現します。
Treasure Data CDPが、オペレータやサポート担当者と顧客をどのように支援するかをご覧ください。
CDPが企業内のデータの分断を解消
Treasure Data CDPは、営業、サービス、マーケティングといった組織を横断しての顧客インサイト活用を可能にします。また、既存のプラットフォームとシームレスに統合できるため、企業内のデータの分断を解消します。Treasure Data CDPとの連携がサポートされている代表的なプロダクトは以下の通りです。
- Adobe Analytics
- Amazon広告
- Braze
- Cvent
- Domo
- Facebook広告インサイト
- FTP
- Gigya (SAPカスタマーデータクラウド)
- Google広告
- Hivemall
- Hubspot
- iOS SDK
- Javascript SDK
- Magento
- Mailchimp
- Marketo
- Node.jsアプリケーション
- Oracle
- PHPアプリケーション
- Ruby SDK
- Salesforce
- Shopify
- Twitter (Liveramp)
- YouTube
- Zendesk
データ連携カタログはこちらからご覧いただけます。
CDPはCRMやDMPとは異なり、顧客に関連する多種多様なデータを一意の顧客IDをキーに容易に一元管理できる特徴を持ちます。その柔軟性により、トレジャーデータは多くの業界の顧客インサイト活用をサポートしています。
Treasure Data CDPで顧客インサイト戦略を構築する
トレジャーデータは、様々な業種の世界で450社以上のお客様に対して、効果的な顧客インサイト活用のためのプラン策定と実行を支援してきました。Treasure Data CDPは、企業の「顧客中心」を実現するため、ビジネスにおいて最も重要な存在である顧客との真の関係構築に集中できる環境構築と提供を行っています。
私たちのプラットフォームは、日々60兆件を超えるレコードを管理しています。グローバル企業が求める大規模なスケールで一人ひとりの顧客にパーソナライズされた顧客体験を提供することができます。機械学習やAIの機能により、カスタマージャーニーのあらゆる段階で顧客とのやりとりを洗練させることができるのです。
Treasure Data CDPが、グローバルブランドの顧客インサイト活用をどのように支援しているかをご覧ください。
SUBARUは、Treasure Data CDPを利用して、多様な顧客データを一元化し、顧客と見込み客に関する豊富なインサイトを獲得しました。属性データと行動データを基にした顧客インサイトにより、特定のキャンペーンでコンバージョン率を15%向上させ、2,600万ドルを超える売上を計上しました。また、オーディエンスをセグメント化しと各セグメントに最適化されたカスタマージャーニーにより、スバルは価値実現までの期間を80%短縮し、最も購入確率の高い顧客に対するコンバージョン率を250%増加させました。
また、顧客インサイトに基づく予測スコアリングを用いて、販売店の従業員のリソースの再配分を可能にしました。
「単に販売店に対して見込み顧客リストを提供するだけでは不十分です。現在は、Treasure Data CDPを用いて、ショールームに来場されたお客様のうち、購入の可能性が最も高いお客様を予測スコアリングで特定しています。機械学習を利用することで、予測の信頼性を30%向上させることができました。これにより、販売効率が大幅に向上し、限られた人的資本を効果的に配分できるようになりました。」
株式会社SUBARU IT戦略本部 デジタルイノベーション推進部 小川 秀樹氏
複数の専門店が同一ビル内にテナントとして出店するショッピングセンターを運営するパルコは、Treasure Data CDPを利用して深い顧客インサイトを獲得し、全国のParco館内の3,000を超えるショップをサポートしています。実店舗を維持しながらオンラインショップと競争するという、難しい課題にパルコは直面していました。そのためパルコは、実用的なインサイトに基づくマーケティング戦略を拡張性のある単一システムで展開することが求められていました。目標は顧客サービスの向上とライフタイムバリュー(LTV)の増加です。
パルコはTreasure Data CDPを活用し、複数の顧客タッチポイントからいくつかの重要なインサイトを導き出しました。これらのインサイトをもとに、店頭プロモーションと連動するモバイルアプリ「POCKET PACRO」のローンチなど、データドリブンなマーケティング戦略を展開しました。アプリから得られるデジタル接点に対しての深いインサイトのおかげで、来店者数は35%増加、店頭での購買率は25%増加しました。さらに、アンケート、LTVや購買データから得られたインサイトにより、顧客のリピート率は8%向上しました。
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