お客様の課題解決とプロダクトの進化へアプローチしていく
上加世田 暁 Principal Technical Support Engineer
――テクニカルサポートチームの業務内容、特徴を教えてください。
テクニカルサポートチームでは、お客様の業務上の課題を解決することを最優先にしながら、トレジャーデータ社内の様々なチームへの支援も手広く対応しています。
私たちテクニカルサポートチームは、プロダクトの開発者よりもサービス理解が深く、お客様よりも技術理解が強いという特徴があります。私たちのナレッジを活かし、プロダクトへのフィードバックや開発サイドの議論への参加、またお客様向き合い時のリリースプロセスやフローといった面での意見を求められることも多く、障害対応時も担当開発者と協力して調査や対応を行っています。
トレジャーデータのテクニカルサポートチームは、お客様と接する機会が多くあります。お客様からいただいたフィードバックを開発チームに共有するのも重要な業務です。トレジャーデータの特徴とも言えますが、日本のお客様からのリクエストは開発に反映されることが多いのです。
また、お客様をサポートするにあたり、プロダクトのコアな部分まで把握する必要があります。開発チームのエンジニアより実務に即してプロダクトを知り尽くしているという側面もあり、これも特徴の1つと言えます。
その中で私は、主に日本におけるテクニカルサポートチームのマネージャーとして、チーム全体の方針や改善、またチームメンバーが行っている調査のフォローを行っています。
――これまでの経歴を教えてください。
大学院卒業後にECサービス会社へ入社し、DBA(Database Administrator)として基幹システムや新規サービスのインフラ運用を行っていました。日々の運用以外に大規模なバージョンアップや移設もやりましたし、業務最適化の社内ツール開発など、かなりたくさんの良い経験をしました。トレジャーデータには2016年4月に入社しました。
――入社はどのようなきっかけですか?
当時Support/Sales Engineerであったトレジャーデータ社員に声をかけてもらったことがきっかけです。かなり刺激的で面白い会社だと聞き、何より当時私が求めていた「ハイレベルで少数精鋭のチーム」であることが決め手になりました。
当時、グローバル全社でテクニカルサポートエンジニアとしては3人目の入社となりました。そのような状況ですので、入社して2ヶ月目には、国内国外を問わず、お客様から寄せられる要望の大半を私1人で担当するようになっていました。
――ご自身の専門領域について教えてください。
前職がDBAでしたので、データベース周辺が専門です。また社内ツール用にRuby、Ruby on Railsでの開発経験も多少あります。あとは、特に専門的というわけではありませんが、世界的に新規性の高いツールを使って成功事例を作ることができたのも、いま考えると有効な経験になったように感じます。
また、過去のプロジェクトで世界的にもニッチなツールを使うチャンスが何度かあって、そのときに上手く使いこなせたという経験は、トレジャーデータに入ってからも役立っています。トレジャーデータは新しい技術とか、世の中にまだ普及していない機能をどんどん実装していきますから、それにいち早く慣れることができていますね。
――業務にあたってのやりがいを教えてください。
チームを牽引する立場になった現在は、チームメンバーがサポートのクオリティを維持・向上させて、さらに各自の得意分野を活かせる働きができるようにすることがモチベーションです。
手前味噌ですが、チームメンバーはみんな優秀で、私はほとんど頼りっぱなしなんです。マネージャーである私にできること、私にしかできないことを模索しながらチーム内外に働きかけるのが、苦労するところでもあり、やりがいのある部分です。
サポート対応の場面では、サポートによってお客様の問題が解決できて、感謝していただけたときが一番うれしいですし、やりがいがありますね。
――マネージャーになるにあたって、役立った経験などはありますか?
私が入社したタイミングは社員数も少なく、フロアを見渡せば社員全員が見えるような状況で、細かな技術的な話しだったり、不明点を相談したりして、全体感を掴めたのはよかったです。
そこから今は10倍くらいの人数になっていますが、それぞれのチームがどう成り立っているかを見てきましたし、チーム制になる際に発生した課題も解決してきました。
これらの経験はマネージャーになってからも役立っていますし、小さいチームが成長するフェーズに立ち会えて面白い経験ができたかなと思います。
――ご自身が仕事をする上で、一番大事にしているポリシーは何ですか?
お客様のサポートにおいては、今抱えておられる問題を解決することが核にありますが、私たちからはただその解を提供するだけではなく、その後お客様がご自身で問題解決できるように、よりトレジャーデータを使いこなせるように、さらに先々の運用フェーズにおいても快適に使えるようにアシストすることを意識しています。
答えさえ教えてくれれば良いというスタンスのお客様もいらっしゃいますが、やはりご自身で使いこなせて自己解決できる状態になることが成功体験の一部だと思っています。無理な実装になってしまいそうな場合は、ご質問に回答するだけではなく「そもそもその方法で良いのか?」という点に踏み込む場合もあります。
チームや社内に対してのサポートの場合も、基本的にはお客様のサポートに近い意識で相手の成功・問題解決を意識しています。様々な問題や議論でも、各人、各チームが滞りなく一過性の解決で終わらないように、自分にしかできない意見やフィードバックの提供ができるよう多角的に考えるようにしています。
――チーム内でコミュニケーションを取る上で工夫していることや重視していることはありますか?
現在リモートワークがメインで物理的に対面する機会はほぼありませんので、コミュニケーションのほとんどがSlackでのチャットです。みんなあまりかしこまらずに自然体の会話ができているように思いますが、「自然体でいること」は自分自身が無意識に行っているかもしれません。また、SlackのDM(ダイレクトメッセージ)はあまり使わないようにして、極力オープンなコミュニケーションをするようにしています。これはチーム内に限らず全てのコミュニケーションで意識しています。
ただ、どれだけ自然に会話ができていると言っても、チャットだけではやはりコミュニケーションは不十分なので、Zoomを使ってオンラインで会話しています。スケジュールで組むものもありますし、非定期的に行うものもあります。チーム全体で行うこともあれば、ゲリラ的に始めることもあります。私の社内でのニックネームを使って、「Kammyの部屋」と呼んでいて任意参加ですが、ほぼ全員参加してくれているのできっと楽しめているのだと思っています(笑)。
マネージャーとしては、チームメンバーとの1on1はどれだけ忙しくても必ず行うようにしています。
雑談の場を都度持てるようにしてはいますが、やはり1on1だからこそ出てくる会話や気持ち、意見もありますよね。そのうち話せばいいかなと各自思ったことを定期的にすくい上げられる場があることは重要ですから、1on1はとても大事にしています。
――グローバルのテクニカルサポートチームとのやり取りなどはありますか?
あります。テクニカルチームは今、大きく分けて3つのリージョンで管理して、タイムゾーンごとに分けています。日本の時間帯とヨーロッパの時間帯と、あとはアメリカの時間帯ですね。それぞれの時間帯がかぶる夕方や朝にそれぞれの時間帯で引き継いだり情報の共有をしており、そのタイミングで常にコミュニケーションはとれるかなと思います。
ただ、それでもグローバルでネット越しのコミュニケーションになってしまうと関係性が薄れてしまいます。そこでランダムに、1週間に1回全体の中から2人選んで、その2人で話す場を設けたりしています。
――ちなみに、その時のやり取りは英語でしょうか。
英語です。ただ、そこであまりハードルは感じずに、まずは学ぼうという意識を持つのが重要かなと思います。メンバーレベルであれば、それで十分です。
そこからキャリアアップをしたい場合は、英語を用いた交渉力なども求められますので、役職に応じて必要な英語力を身につければ問題ありません。
――トレジャーデータのカルチャーについて教えてください。
頑張る人が活躍できる会社だと思います。もちろんユニークなスキルがあればそれは武器になりますが、僕自身は特異な能力やスキルがある人間ではありません。でも、人がやらないようなところや隙間にあるような仕事を、できることからコツコツ頑張っていれば、活躍できると信じています。
――チームメンバーの印象について教えてください。
チームメンバーそれぞれに得意分野があり、意識も高く、本当に頼りにしています。そして何より尊敬できるのは、どんどん自分から調べて、検証して、手伝いもしていく意識を全員が持っていることです。サポート業務において、とても重要な資質だと思います。
チーム内の仲が良いところも特徴ですね。相応しい表現かどうかわかりませんが、部活のような、サークルのような雰囲気を作れているのは、嬉しいところです。
――トレジャーデータで働く魅力はなんでしょうか。
自分次第で多くのチャンスと経験が得られるところかと思います。
プロダクトとしても、社内のフローや仕組みにおいても、まだまだ改善すべき課題は山積みです。だからこそ、自分の頑張り次第でどんどん会社の発展、プロダクトの進化へ深く関わっていくことができます。
また、会社としても数年単位でどんどん大きな変化が訪れています。そういった変化を肌で感じながら自分もその変化の一因になれることが嬉しいですね。
加えて、トレジャーデータ自体がいろいろなサービスをリンクさせるハブの役割を担っています。そのため仕組みは複雑にですが、それを開発メンバーと同じレベルで触れることができ、フィードバックもできるのは他にはない良いところだと思っています。
そして何よりテクニカルサポートはお客様と近いところにいますので、そこにやりがいを感じられるのではないでしょうか。
――どんな人といっしょに働きたいですか?
自分から学び、人のために働ける人です。
トレジャーデータのサービスは、かなり複雑で多岐に渡る機能・仕組み・技術が使われていて、その変化も激しいです。チームメンバーは助け合う意識がとても高いですが、自分で自ら学び吸収し、それをお客様や社内メンバーに還元できる人が求められています。
加えて、今後は社内ツールの開発にも着手したいので、色々なスキルを持った方にジョインして欲しいです。
会社として大きくなり、チームという枠がはっきりしてきてはいますが、セクショナリズムなど持たずにどんどん精力的に動ける人ほど良いですね。
――今後の課題と、挑戦したいことがあれば教えてください。
僕がチームを率いるようになってからチームの人数は倍ほどになりましたが、今後の展開を考えるとまだまだ足りません。しかしチームの規模を大きくすると、サポートのクオリティが下がってしまう可能性もあります。そのため、良い関係を保ち、今のクオリティを維持しながら、チームの拡大を進めるのがチャレンジだと感じています。
社内で一目置かれているテクニカルサポートチームだからこそできるアプローチで、会社のプロダクトなどの改善すべきことにも働きかけていき、よりよい形にしていきたいです。
またトレジャーデータとして、お客様第一でいかに不便なく快適に使っていただけるか。お客様のビジネスの成功に貢献できるサービスを作るためにも、プロダクトへのフォローを大事にしたいと思います。